太陽光発電設置後に起きがちなトラブルとは?防止策を事前に考えよう!
便利で節電対策になるといわれている太陽光発電。自宅の屋根の上にソーラーパネルを設置している家庭を見ることもずいぶん増えてきた昨今ですが、災害の多い我が国ではトラブルも頻発しています。今回はそんな太陽光発電設置トラブルについて詳しく解説していきますので、最後までご一読ください。
太陽光発電設置後に起きがちなトラブル
消費者センターやコールセンターへの相談が多い事例についていくつか紹介していきます。
台風で破損
まず多いのが、台風によるパネルの破損が原因で引き起こされるトラブルです。具体的には「強風でパネルが飛ばされてしまいそう・飛ばされてしまった」「大雨によって機器が故障してしまう」などです。強風で飛ばされたパネルが民家や人にあたってしまえば被害者トラブルに発展してしまう恐れもあります。
また、パネルの浸水によって感電の危険性もあります。これらの事例の多くは基礎の強度や水はけなどが施工基準を満たしていれば生じないケースがほとんどです。
しかし、施工会社によっては実績もなく、正しいノウハウを持ち合わせていない場合もあります。依頼する業者には、十分注意していく必要があるでしょう。
土砂崩れで崩壊
大雨などで、斜面では土砂崩れが起こりやすくなります。伐採を行ってから太陽光パネルを設置しているような場合、パネルが土砂崩れに巻き込まれてしまうだけでなく、最悪の場合、近隣住民を巻きこむ危険性もあります。
そもそも本来、山々の木々というは土砂崩れを防ぐ役割があります。そのような木々を伐採し、パネルを設置することそのものが、土砂崩れを引き起こしやすくする原因になっているともいえるのです。
設置する場合は、設置環境に応じた技術基準を満たしているか、土砂崩れを考慮した厳しい基準をクリアしているかをきちんと精査したうえで、設置していくことが大切です。
地震による売電機械の損失
地震が多発する日本においては、規模の大きな地震も頻繁に発生してしまいます。その場合、実際にあった事例として、2018年9月に発生した北海道の広範囲な地震の影響でブラックアウト(全域停電)が発生し、送電網が利用できなくなってしまいました。
日常におけるトラブル事例
その他、日常において起こる可能性のあるトラブルとしては、以下が挙げられます。
・太陽光パネルの破損(雨漏りなど)
・パワーコンディショナーの動作不良
・パネルのホットスポットによる火災
・反射光による近隣住民トラブル
・雑草による発電効率の低下
※この場合のホットスポットとは、パネルの上に落ち葉や鳥の糞などが付着し影ができると、その影になってしまった部分のパーツが、パネル全体の電気の流れをせき止めて抵抗状態となり、部分的に発熱してしまう現象のことです。
補助金や業者に関するトラブル事例
さまざまな補助金が受け取れる太陽光発電ですが、業者によっては信じられないようなトラブルも多くあります。
・もらえるはずだった補助金が受け取れない
・契約前トラブル(訪問販売が多い)
・契約後トラブル(契約前の約束を反故にされたり、契約にはなかった追加料金を徴収されたりなど)
・施工会社の倒産
太陽光発電のトラブルを事前に防ぐためには?
このように何かとトラブルの多い太陽光発電ですが、トラブルを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。いくつかチェックすべきポイントをまとめました。
・施工実績が十分にあること
・見積書が詳細にかかれている
・商品知識から施工まで詳しいこと
・綿密な設計プランが作成されていること
・メンテナンスやアフターフォローの説明が十分になされていること
・設置位置や売電収入などの詳細なシミュレーションが提示されているか
・過剰な訪問販売をされていないか
・太陽光発電の保険に加入しておく
・近隣住民に説明しておく
これらをチェックしておくだけでも、トラブルが発生する可能性は大いに低くなるでしょう。
万が一、太陽光発電に関するトラブルが発生したら?
トラブルは未然に防げるのが一番ですが、仮に発生してしまった場合の対処法についても知っておくと安心です。ここでは、一般的な対処法をご紹介します。
トラブルが発生した際の基本的な対処法
・メーカーや施工会社に連絡する
・保険会社に連絡する
・弁護士の依頼をする(トラブルが契約者自身で解決が困難な場合)
その他
・強引な勧誘によりむりやり契約させられてしまった場合
クーリングオフ制度というものがあります。これは、消費者が訪問販売などによる、不意打ち的な取引で契約した場合に一定期間であれば、無条件で一方的に契約を解除できる仕組みです。
・パネル工事がずさんで雨漏りが発生した場合
契約前に設置業者が確かな技術をもっているか、施工不良があった場合に保証を受けられるのか、よく確認しておくことが重要です。設置工事をする業者がメーカー施工のIDを持っているか、リフォーム瑕疵保険に加入しているか確認しましょう。万が一、施工不良による雨漏りが発生した場合は「住まいるダイヤル」で専門家による相談やトラブル処理の支援を受けることができます。
※リフォーム瑕疵保険とは、工事後に欠陥が見つかった場合に保険会社からリフォーム会社へ保険金が支払われる保険のことをいいます。施主は無料で欠陥部分を直してもらえます。また、もしリフォーム会社が倒産していた場合でも、施主には保険金が支払われるのが特徴です。
・その他
何かおかしいと感じたらすぐにお住まいの自治体消費者センターへ相談しましょう。申出書は「消費者庁長官」「経済産業局長」「都道府県知事」のいずれでも可能です。
今回は太陽光発電機器を設置する際のトラブルについて詳しく紹介しました。紹介したトラブル事例を知り、設置することに不安を感じた方もいるかもしれません。しかし、トラブルの多くは事前に防げるものがほとんどです。これから設置を考える方は、発電量だけでなく周囲の環境への配慮や施工会社の詳細な検討などにより、トラブルを最小限にふさぐことができるよう注意する必要があるといえるでしょう。まずは信頼のおける業者に相談することからはじめてみてはいかがでしょうか。